第1子となる息子を出産したとき、逆子のため帝王切開になりましたが、手術日まで大きなトラブルもなく、産声を聞いた瞬間に全身の力がふっと抜けたのを今でも覚えています。
入院期間は9日間で、数日たって体が少し動かせるようになった頃、初乳指導がありました。初めて胸をふくませたとき、「ああ、本当にお母さんになったんだ」と胸がじんわり熱くなった気がします。
その日から母子同室が始まり、「3時間おきに授乳して、そのあと少しミルクを足しましょう」と具体的に説明を受けました。ここからが、いわゆる“24時間育児”のスタートだったのかもしれませんね。
授乳を終えて1時間ほどたつと、息子はまた激しく泣き出しました。おむつはぬれていないので「お腹が空いたのかな」と思い、再び母乳をあげてみることに。ところが、飲み始めてすぐ眠ってしまい、ほとんど飲まないまままた浅い眠りに落ちていきます。
その後、少し時間がたつとまた号泣。抱っこして、授乳して、寝かせて、すぐに泣かれて……というサイクルが一晩中続きました。
妊娠後期からすでに熟睡できない日が増えていましたが、産後の傷の痛みと寝不足が重なり、ボロボロの体での徹夜が何日も続くと、心まで削られていくように感じませんか。私もついに限界を迎え、看護師さんに相談して、1日だけ新生児室で息子を預かってもらいました。
数時間まとめて眠れただけで、頭が少しずつクリアになり、「助けを借りてもいいんだ」と肩の力が抜けたのを実感しました。
あれから7か月。今では離乳食をもりもり食べ、ミルクもごくごく飲み、夜は18時30分ごろから朝7時までぐっすり眠る日も増えています。
あの終わりの見えない夜を思い出すと、「ここまでよく一緒にがんばってきたな」と、自分自身にも声をかけてあげたくなりませんか。
どんどん丸みが取れて、表情もはっきりしてきた息子を見ていると、成長がうれしい一方で、「新生児のふにゃふにゃした感じ、もう戻ってこないんだな」と少し切ない気持ちにもなります。
あなたも、夜泣きや授乳でクタクタになりながら、「それでもこの時間は今だけなんだ」と、同じような思いを抱えているところでしょうか。